ロゴデザインを「さわやか」にする3つのコツと事例集
会社設立や新商品開発など、何かの“立ち上げ”の際には、ブランドイメージを決定づける「ロゴ」の作成は欠かせません。中でも“清涼感”や“透明感”といった「さわやか」なイメージに仕上げたいとの要望は少なくないでしょう。「さわやか」な印象のロゴを作成するには、どのような点に注意してデザインをしていけばよいのか、コツと事例をまとめました。
目次
ロゴに「さわやか」が求められる理由
「ロゴ」とは、企業名や店舗名、商品やサービスの名称といった文字部分をデザインした「ロゴタイプ」と、象徴的な「シンボル」を組み合わせて、ひとつのマークとしてビジュアル化したものです。名刺や看板、商品ラベルといった視覚情報の元となるロゴは、第一印象を決める重要な要素です。
なぜ今「さわやか」が求められるのか
たとえばデリバリーサービスを立ち上げ、出前系のポータルサイトに登録したとします。料理のビジュアル写真と並んで、洗練されたロゴデザインがあれば、数多くならぶデリバリー店の中でクリックされやすいでしょう。
ところが、単に目立つことだけを意識した配色やデザインにすると、せっかくの料理写真も台無しになります。そんな時は「さわやか」なイメージはとても有効です。料理が引き立つだけでなく、清潔感も感じさせてくれます。
飲食事業に関わらず、新型コロナ問題が発生して以降は「清潔感」が求められやすい傾向にあります。そのため、イメージが「さわやか」であることは重要なのです。
「さわやか」なロゴデザインとは?
それでは「さわやか」な印象を与えるロゴデザインについて、具体的に考えていきましょう。
人は「さわやか」な印象を、どこから感じ取るのでしょうか? たとえば、ミントの爽快な香りを「さわやか」だと感じたり、さらっとした着心地の服を「さわやか」だと感じたりと、五感のどこで感じるかによって、さわやかを決定づけるものは変わってきます。
ロゴデザインは「視覚」で感じる情報。そのため「色」や「形状」、そして「余白」といった要素が、ロゴ全体の印象を左右します。
1.明るめな「色」で清涼感を演出
花が咲く春、爽快な初夏の空、真夏の山や海といった「自然」にふれると、人は爽快や清涼といった印象を持ちます。それらを連想させる「水色」や「若草色」といった色を使えば、手っ取り早く「さわやか」な印象を付与できます。色味は淡さを意識してみましょう。
↑濃い色で作成したロゴ(左)と、さわやかな色でデザインしたロゴ(右)
【事例】
青や緑以外にも、パステルカラー系は組み合わせ方によってさわやかな印象をもたらしてくれます。
【事例】
色数は可能な限り少なくするのがベターです。上記のロゴデザインは、基本はピンクとグレーの2色です。色数を少なくしたことで、ごちゃっとした印象も無く、さわやかなロゴに仕上がっています。
2.線を「細く」してさっぱりと洗練された印象に
太い線やベタ塗りしたデザインは目立ちやすい反面、圧迫感を与え、こってりとした印象を与える場合も。そこで、マークやフォントの線幅を「細い」ものにしてみましょう。線の細さは、洗練された印象を与え、さわやかになります。さらに、高級感も演出できます。
↑太線やベタ塗りを使ったロゴ(左)と、細い線をつかったさわやかなロゴ(右)
【事例】
線を細くすることで高級感も演出できますが、高級感とさわやかさはイコールではありません。単に高級感を求めるのであれば、さわやかさを捨てる選択もあります。高級感のあるロゴを参考にして、自分が求めるデザインはどちらなのかを再検討してみるのもよいでしょう。
3.空間を活かして透明感を出す
さわやかな印象は、日頃の生活空間にもヒントが。たとえば荷物が多い部屋と、ミニマルで物が少ない部屋では、後者がさわやかな印象になります。ロゴマークのデザインでも同様です。余白を意識したデザインにすれば、白が際立ち「さわやか」な印象になります。
↑要素を中央に集めたロゴ(上)と、余白を意識したさわやかなロゴ(下)
【事例】
実は目立つ!シンプルでさわやかなロゴ
ロゴをさわやかにする3つのコツでデザインをしていくと、少し物足りなさを感じてしまうことがあります。もう少し色味を強く……と手を加えていくと、さわやかなロゴを目指していたつもりが、野暮ったかったり、胃もたれしそうなこってりなデザインに仕上がっていきがちです。
ロゴデザインはロゴが完成してからがスタート。名刺やショップカード、看板や商品ラベルなど、さまざまなシーンでロゴがどのように使われるかをイメージすることが大事です。
BtoCの事業であれば、数多ある企業やお店の中から選ばれるために、少しでも目立たせたいと考えることは珍しくありません。だからといって、こってりとしたデザインが良いわけではありません。
前述した通り、たとえば飲食業では、こってりしたデザインのロゴは、かえって料理の印象を悪くすることもあります。シンプルでさわやかな印象のデザインに仕上げれば、ロゴも目立ち、料理の味とともにお客様の記憶にしっかりと残ります。その記憶が、リピートにつながるのです。
ついつい派手に&こってりとしがちなデザインですが、その先をイメージすれば、何が正解か自ずと見えてくるでしょう。
外注も内製も基本は同じ
今回は自分でデザインする場合を紹介しましたが、費用対効果を考慮した結果、自分たちでデザインするのではなく、デザイン事務所やフリーランスの個人デザイナーといった外注を選択するケースも少なくありません。
外注でプロのデザイナーに依頼するメリットは、デザイン自体のクオリティだけでなく、事業のコンセプトをしっかり理解し、その後の使用用途も考慮して仕上げてくれることです。名刺や封筒、ショップカードや看板、チラシなど、その他のデザインまでワンストップでお願いすることも可能で、同じデザイナーが仕上げると、統一性もあり、さらに素敵なデザインに仕上がります。
プロのデザイナーにロゴデザインを依頼するときは、ロゴに込めたい理念やモチーフ、ストーリーといったものを伝えるとともに、デザイナーからの客観的な意見も聞きつつ、一緒になって作り上げていくという姿勢で進めましょう。
フルオーダーで外注するのではなく、LOGO市ストアのように1点もののロゴ販売サイトを利用する方法もあります。
さわやかなロゴデザインができたら、名刺やウェブサイトも、シンプルでさわやかなデザインを意識してみましょう。