
外注だから…に注意!ロゴ作成でデザインがまとまらない理由
最近はパソコンやスマートフォンを使い、自分でロゴデザインを作成する人もいます。しかし、たとえば会社のロゴや、スポーツチームのロゴ、お店の商品ロゴなど、クオリティが高いロゴが必要になった場合は、デザイン会社へロゴの作成を依頼する人が多いようです。
しかし、せっかくロゴ作成を外注で依頼したのに、気づけばデザインがうまくまとまらない事態に陥ることがあります。プロに頼んだはずなのに…どうしてそのような事態が起きるのでしょうか?
経験者こそ陥る!外注だから…の心理的欲求
今や「グラフィックデザイン」は身近な存在になりました。パソコンの普及、そしてスマートフォンやタブレット端末で、手軽にグラフィックを描けるようになったからです。ここを読まれている方でも、自分でグラフィックデザインをやってみたことがある人もいるかもしれません。

しかし、自分でやるには技術的な面や時間的制約から、クオリティが高いロゴを作る場合は、プロに頼んだほうが良いと考える人が少なくありません。自分でロゴを作成した経験がある人なら、デザインのことが多少わかっているので、初心者よりもデザイナーとの意思疎通がスムーズだと考えます。しかし、そうした経験が影響して、かえってスムーズじゃないこともあります。
一番多くあるのが「せっかく予算をかけるのだから…」と思ってしまうこと。
こうした考えがあると、もっとこうしたい、もっとこういうのはないだろうかと、デザインを知っているからこその「欲」が出てきます。クオリティを上げるという面でよいことのように思われがちですが、結果としてデザインがまとまらい事態を招く要因にもなります。
なぜ、まとまらなくなるのでしょうか? デザインを料理に置き換えてみるとわかるかもしれません。
ロゴ作成と料理「俺がつくったほうがうまい」
たとえば「カレー」です。家庭科の授業をはじめ、日本人なら一度はつくったことがある国民食ですが、「自分で作ったカレーは美味しい」と思ったはことありませんか?
料理未経験者でも、分量通りにつくれば美味しくできるのがカレーです。それどころか、多少分量を間違えても美味しくできるものです。自分で手間暇かけてつくったカレーは、なぜだか美味しく感じるものです。やがて、ソースや醤油、インスタントコーヒーを入れたりと、アレンジを加えていくようになります。

そして自分のカレーが美味しいと思う人が、自宅に料理人を呼んでカレーを作ってもらったとしたらどうなるでしょうか? プロは違うなと素直に思える人が多いと信じたいところですが、意外と多いのが「俺がつくったほうがうまいな」と言い出す人です。
「クミンをもう少しいれたほうがいいな」
「バターの量が多い」
「オレンジジュースをいれてフレッシュさをだしてみては」
「じゃがいもは別の品種のほうがうまい」
こうした発言をそのままやってしまうと、当然ですが味がまとまりません。シェフが言われたとおりにやって、本人が「味がまとまらないね…笑」と言っているうちはいいのですが、言った本人だけが「うまい!」と言いだしてしまったら、一緒に食べている家族や友人は目も当てられません。
ロゴ作成でも、同じです。要望はデザイナーに伝えるべきですが、ついついあれやこれやと自分の中でのアイデアが増えた場合、はたして本当にそれは「必要」なのだろうかと冷静になる必要があります。
「費用をかけているのだから…」
と思いすぎてしまっていないかということです。結果としてデザインがまとまらなくなってしまっては、本末転倒です。食べられないのに、ついついてんこ盛りにするホテルの朝食ビュッフェにも通じるところがあります。
愛されるロゴを目指し目的を見失わない
その色使いは本当に欲しい色なのか?
本当に必要な装飾なのか?
シンプルと複雑、どちらが自分にとって良いのか?
ロゴ作成に答えはありません。しかし、大事なことは作成したロゴは、誰のためにあるのかです。

お店に来てくれるお客様。
働いてくれるメンバーたちに誇れる旗印。
チームのファンに愛される勲章。
商品を広く知ってもらうための印。
シンプルで永く愛される社章。
ロゴ作成を依頼する際は、自分の思いをしっかりとデザイナーに伝え、一緒につくっているという気持ちを元に、ロゴ作成の目的を忘れないようにしましょう。愛したい、愛されるロゴを目指して。