「色」はロゴづくりで最重要!? ロゴの色選びで知っておくべきこと

会社のロゴを作ることになったとき、どんなデザインにしようか、色はどんな感じにするのが良いのか、悩むところはたくさんあります。

実は、ロゴの色は、デザインよりも見る人に影響するのです。色が与える影響や、ロゴの色を選ぶ際のポイントについてご紹介します。

目次

  1. ロゴデザインよりも重要な色
  2. イメージからロゴの色を決める
  3. ロゴの色を複数組み合わせる場合

ロゴデザインよりも重要な色

ロゴデザインよりも重要な色

ロゴを作成する際に、自分が好きな色を使うことは間違いではありませんが、色の持つ効果を理解しているとロゴが会社にとってより有効なものとなります。

ロゴデザインに凝るよりも、色に凝ったほうが、人に与える影響が大きいことがさまざまな研究から明らかになっているのです。

より具体的に、なぜロゴデザインよりも色が重要なのかを解説します。

ロゴデザインより色が重要なワケ

色には、人の心に働きかける効果があります。例えば信号機を思い浮かべると、赤になれば誰しも、無意識ですが止まりますよね。このように、無意識下ではありますが、色が私たち人間の心理に与える影響は大きいのです。

また、カラーセラピーという色が持つ性質を利用して心を改善する方法や色を使った心理テストなど、色と人間の心には深いつながりがあります。

さらに、ロゴに焦点を当てた話でいえば、デザインそのものよりも色で記憶している人が多く、デザインそのものをはっきり記憶している人は稀であるという調査報告もあります。

目で見る情報のうち、色から得る情報は、なんと80%以上。そして、人がものを購入するときは、ビジュアルを見て無意識に購入されていることが明らかになっているのです。

このことから、いかにロゴが重要であるか、そしてそのロゴの色選びは慎重にならなければならないかが、おわかりいただけるのではないでしょうか。

色によって変わるイメージ

色が人に与える印象は、色によって異なります。それぞれの色ごとに、どのような心理効果が期待できるのかご紹介します。

赤は、交感神経を刺激し、血圧や体温、興奮作用を高める効果があるといわれています。そのため、食欲増進や購買意欲アップを狙える色として、「販売色」や「購買色」と表現されることもあるのです。

生命力や行動力、エネルギーを象徴する色でもあるので、これらを表現したいときに使用すると良いでしょう。

そして、日本の企業のロゴで、一番多い色も赤です。例えば、日清のロゴやユニクロのロゴも赤色が使用されていますね。

青には、興奮を抑える鎮静作用があり、冷静にさせる効果が期待できます。エネルギッシュな赤とは対象的に、爽やかさや知性を表現することが可能です。

IT系企業で採用されるケースが多く、パソコンメーカーのDELLやSNSでお馴染みの、ツイッター、フェイスブックのロゴにも青色が使われています。

有彩色の中でもっとも明るい黄色は、視覚に強く訴える効果があります。危険を知らせる色として信号や道路標識、工事現場などで使用されていて目にする機会も多いです。

黄色は、にぎやかさや希望、幸福、元気さを表すにも適しており、見る人の心を弾ませる効果も期待できます。

黄色を使ったロゴを使用している企業に、LoftやNikonがあげられます。

緑は、興奮を鎮め、癒し効果をもたらすといわれています。自然を表す色なので、安心感や安らぎといった印象を与えることが可能です。

コーヒーチェーン店のスターバックスやスマホアプリのLINEのロゴにも、緑が使用されています。

ピンク

女性的なイメージが強いピンクは、安らぎや癒やし、母性、親しみやすさを印象づける効果があります。女性向け商品・サービスや、ベビー用品などにピンクが用いられることが多く、サンリオやゼクシィがピンクのロゴを採用しています。

オレンジ

赤と黄色の中間色で、万人受けする色といわれています。活気や親しみやすさを印象づけることができるほか、人の心を開きコミュニケーションを活発にする効果も期待できます。

オレンジをロゴに採用している企業は、クックパッドやじゃらん、auなどが挙げられます。

紫は、高級感や上品さを表したい場合に使用されることが多い色です。ほかの色に比べて、見る人によって大きく印象が変わる色だともいえます。

有名企業で例を挙げると、BenQやANNASUIが紫のロゴを採用しています。

清潔感や純粋さを表す効果がある白は、どんな色にも合わせやすいため柔軟性が高い色といえます。明るい印象を与えることもできるので、ほかの色と組み合わせて使われることが多いです。

黒は、強さや重圧感、威厳などの印象を与える効果があります。高級感やどっしりとして落ち着いた雰囲気を出したい場合に最適です。

スポーツメーカーのロゴや、電化製品のロゴ、アパレルのロゴなど幅広く使用されています。

グレー

落ち着いた印象や、都会的なイメージを与える色で、比較的合わせやすい色でもあり、柔軟性が高い色です。高額な商品を扱う企業や教育関係、士業関係の企業で使われる傾向があります。

イメージからロゴの色を決める

イメージからロゴの色を決める

実際に、ロゴの色を決めるときは、業種から連想しやすい色を選択するのか、企業のイメージからロゴの色を決めるのかによって選ぶ色は変わります。

業種からロゴの色を決める

一般的にどのような企業か伝わりやすいのが、業種からロゴの色を決める方法です。例えば、水道設備の会社や水を販売している会社、空調設備の会社などは水色など青系、植物を扱う会社やエコ関連の会社なら緑系、ガス会社のような火に関係する会社なら赤系。このように、業種から一般的に連想されやすい色を選びます。

業種から色を明確に連想できる場合は、おすすめの方法です。

企業のイメージからロゴの色を決める

一般の人からどのようなイメージを持ってほしいかで色を決める方法です。例えば、清潔感のある会社なら白系、活動的な会社ならオレンジ、優しい雰囲気を出したい場合はピンクというように、企業のイメージを色で表現します。

企業のコンセプトや方向性が固まっていれば、色選びに反映させることが可能です。

ロゴの色を複数組み合わせる場合

ロゴの色を複数組み合わせる場合

ロゴの色を決める際に、1色だけでなく色を組み合わせてロゴを作りたいと考える人も多いです。実際にカラフルなロゴを作成している企業もたくさん存在します。

複数の色を使ってロゴを作る

単色でシンプルなロゴが多いですが、複数の色を組み合わせてロゴを作るのもありです。Googleやマイクロソフトもカラフルなロゴを使用しています。

しかし、ロゴはさまざまな用途で使用されるので、単色使用されるケースが出てくるということも視野に入れておかなければなりません。

例えば、封筒やノベルティグッズを作成する際、背景の色が限定される場合があります。背景が薄い色の場合、ロゴの薄い色を使用している部分が、背景の色が濃い場合、ロゴの濃い色を使用している部分が見えづらくなります。

ロゴが様々な場所で使用されることを想定して、色を決めるようにしましょう。

色の組み合わせについて

複数の色を使ってバランスよくロゴを作成するのは、とても難しいといえます。基本的には、ロゴを作成する際の色数は2色以内にするなど、少ないほうが良いとされています。

むやみやたらに色を組み合わせてしまうと、「うるさい色」というイメージを持たれ、嫌悪感を与えてしまう恐れがあります。

複数色の色を使ってロゴを作りたい場合は、色の配色ツールを使用したり、デザイナーに相談したりして決めるようにしましょう。